Plastic Design & Story Award 2018 結果発表

アワード概要

テーマ

いれるもの、つつみこむもの。

審査員

鈴木啓太 (プロダクトデザイナー / PRODUCT DESIGN CENTER代表)

角田陽太 (プロダクトデザイナー / YOTA KAKUDA DESIGN代表)

平野敬子 (デザイナー / ビジョナー コミュニケーションデザイン研究所所長)

廣松邦明 (日精エー・エス・ビー機械株式会社 取締役)

受賞作品

最優秀賞(賞金100万円) 2点

優秀賞(賞金50万円) 2点

入選(賞金10万円) 17点

応募期間

2018年8月1日(水)~2018年10月31日(水)

受賞作品:最優秀賞(2点)

最優秀賞(1/2)

作品名:Naka Bottle

受賞者:Edouard Pillet

Naka Bottle

コンセプト:

冷たいビールやレモネードをガラス瓶から直接飲む、これほど気持ちのいいことはありません。そのガラス瓶のシンプルな楽しさを再現するために、Naka Bottleはねじ山をボトルの内側に隠しました。より厚いボトルの縁と、スムーズで快適な飲み口とが実現されます。

受賞者コメント:

普段の業務では工業デザイナーとして活動しており、このような容器をどのように良くするか、いつも考えています。今回は、ボトルを使って飲むという普段の生活を意識して、どのように飲みやすくするかに気を配りデザインを行ないました。本作品には2つのキーワードがあり、1つはこのボトルを利用した場合の純粋な飲みやすさ、もう1つはボトルの持ちやすさを追求しました。

最優秀賞(2/2)

作品名:Totem Bottles

受賞者:Nadav Goldenberg

Naka Bottle

コンセプト:

単なる使い捨て容器ではなくて、積み重ねて楽しめる、つい集めたくなるような見た目のボトルです。

受賞者コメント:

賞をいただきありがとうございました。運営された事務局の皆さんに感謝します。作品には2つの特徴があります。1つは、ボトルの使いやすさ、もう1つは、プラスティックの消費に対するインパクトという視点でした。それらを実現した上で、見た目にも分かりやすく、家庭で楽しめるようなデザインを心がけました。

優秀賞(2点)

優秀賞(1/2)

作品名:MOUTH bottle

受賞者:松田兼一郎

Naka Bottle

コンセプト:

ペットボトルの飲み口にはネジ山が施され、口に触れるたび、特有の感触が口から伝わります。飲み口は人の口の触覚で認識され、そこには繊細なコミュニケーションがあると捉えました。 このMOUTH bottleは容器の口が触れる部分をネジ山から遠ざけ、厚みを増したボトルです。ペットボトル特有の口当たりが無くなり、飲料の質も向上すると考えました。何度も触れる部分だからこそ、その感触の変化が新たなペットボトルの価値観を作ります。

受賞者コメント:

今回の作品は、ペットボトルと人の間にある何かをデザインすることでストーリーが変わっていかないかなと考えました。もともとペットボトルは飲むときにスクリューが口に触れることが小さな違和感としてありました。その触覚にこだわりネジ山が口に当たらないよう低くして、ネジ山から少し上を出して厚みを出すことで、飲む体験の向上が生まれると考えました。

優秀賞(2/2)

作品名:Casane

受賞者:藤本聖二

Naka Bottle

コンセプト:

形状の違う2つのプラスティックグラス(コップ)のセットで、飲み物によってそれぞれを使い分けることができます。そしてその2つを重ねることでひとつの保温性の高いダブルウォールのコップになります。パーティーなど数が必要なときはシングルで、ひとりでゆっくり飲み物を楽しむときはダブルでと、シーンに合わせた使い方を可能にします。また有色透明のコップを重ねることで新しい色が生まれ、見た目にも彩りを加えます。

受賞者コメント:

もともと紙コップで熱い飲料を飲むときに二重にするところから着想しています。それを変形させ中空の空間ができると思いました。そして、中空ができたとき機能はどのようなものか?と考えました。プラスティックという素材の特徴を踏まえ、安価に生産することで、利用者が大量に購入し大人数で使うこともできるし、一人で使うときはさまざまな色の重ねを楽しむこともできる。組み合わせで特別なストーリーを味わえる製品としてデザインしました。

入選(17点)

入選(1/17)

作品名:cap-bottle-cap

受賞者:籔下 聡希

Naka Bottle

入選(2/17)

作品名:FLOAT LUNCH PLATE

受賞者:沢崎 美季

Naka Bottle

入選(3/17)

作品名:the tester

受賞者:OZGE DURMAZ

Naka Bottle

入選(4/17)

作品名:飛ばされにくい「プラカップ」

受賞者:石川 和也、本木 礼央牙

Naka Bottle

入選(5/17)

作品名:Pet Fastener

受賞者:馬渕 晃

Naka Bottle

入選(6/17)

作品名:ほぼほぼ一回分のエッセンシャルオイルパッケージ

受賞者:服部 恵

Naka Bottle

入選(7/17)

作品名:plastic as material

受賞者:鈴木 祐人

Naka Bottle

入選(8/17)

作品名:CRACK BOTTLE

受賞者:大場 勇哉

Naka Bottle

入選(9/17)

作品名:SEED SHADE

受賞者:山口 幸宏

Naka Bottle

入選(10/17)

作品名:備蓄水×GIFT

受賞者:yonanp

Naka Bottle

入選(11/17)

作品名:+0

受賞者:ゼツ ユウキ

Naka Bottle

入選(12/17)

作品名:C+

受賞者:成瀬 峻

Naka Bottle

入選(13/17)

作品名:ひとり立ちしたゴミ袋

受賞者:荒木 彩可、北 恭子、迫 健太郎、藤田 絃生

Naka Bottle

入選(14/17)

作品名:首を曲げず自然に飲めるペットボトル

受賞者:徳田 周太

Naka Bottle

入選(15/17)

作品名:Plastic2000

受賞者:柴 寛武、太田 琢人

Naka Bottle

入選(16/17)

作品名:P-TRAY

受賞者:古舘 壮真

Naka Bottle

入選(17/17)

作品名:MUGEN

受賞者:Andrea Brugnera

Naka Bottle

審査員総評

鈴木啓太 (プロダクトデザイナー / PRODUCT DESIGN CENTER代表)

Suzuki Keita

受賞者の皆様、おめでとうございます。

まず応募作の中では、「Naka Bottle」がとても印象的でした。飲み口のスクリューを内側に設ける提案は、事象だけを見れば小さなことだと思う方もいるでしょう。
しかしキャップを内側に構成できるためワインボトルのような美しいプラスティックボトルが生まれたり、飲み口に凹凸が一切ないことで今までにない飲む体験を生み出したりと、様々な可能性を秘めていると思います。この美しく機能的なボトルが世界中のスタンダードになれば、これまでとは違った印象をプラスティックに抱く人が出てくるかもしれません。
また、使用後にボトルを収集するコレクターさえ現れるかもしれません。たった一つのデザインですが、みんなの認識や常識を変え、社会をより良い方向に進めていくきっかけにだってなれるのです。
「Naka Bottle」には、それを感じさせる魅力がありました。
個人的な話ですが、僕自身も審査を通じて、美しさで社会的な問題を解決するということに、もっともっと挑戦してみたいという気持ちをさらに強くしました。

実は応募作品を拝見しつつ思い出していたのは、グリーンのガラスで作られた、あの有名な炭酸飲料のボトルです。
暗所で種別を識別するためという必要な機能から生まれたボトルデザインですが、特徴的な美しい形をしていたからこそ、長く愛される定番になったのだと思います。
そう考えると、応募作品の多くがアイディアの組み立てだけに終わっていて、魅力的な形へ昇華できていないのが気になりました。デザインコンペだからといって実用化を度外視したり美しい形を妥協することなく、もっとデザインに向き合った作品を作り上げてもらえればと思います。
次回はそういった熱のある作品に、多く出会えることを楽しみにしています。

角田陽太 (プロダクトデザイナー / YOTA KAKUDA DESIGN代表)

今回の審査員の仕事を通じて、自分自身も勉強させていただきました。ありがとうございます。
最優秀賞の2つは、素材の美化にとどまらず、未来が見える作品であり、ストレートなデザインだと思いました。
芸術家の会田誠さんが“アーティスト観”と言っていますが、それを借りるなら、そのアーティスト観が優れた作品であると思いました。

今回参加された皆さんは、これからのデザイナー人生も長いと思います。皆さんの将来を楽しみにしています。
講評の中での白熱したトークもありましたが、それを心に持ちながらデザインしていってほしいと思いました。

Kakuda Youta

平野敬子 (デザイナー / ビジョナー コミュニケーションデザイン研究所 所長)

Hirano Keiko

皆さん、おめでとうございます。
今回の審査は、審査委員が時間を十分にかけてじっくり議論し、作品を選出することができました。
その事実を最初に皆さんへお伝えしたいと思います。

今回のようなプラスティック製品のデザインとなると、成形物ということもあり、専門性が求められたかと思います。
ただ、その専門性を越えたところにクリエイティビティがあると考えております。そういった意味で、今回の出品作品を見てクリエイティビティをもっともっと発揮してほしいと感じました。
実際には、想像もつかない、目を見張る独創性をもった作品には出会えませんでした。次回への期待を込めて、皆さんには固定概念や既成概念から解き放たれて自由に発想してほしいとエールを送ります。

また、上位2作品が海外のデザイナーであったことを、日本の出品者には現実として受け止めてほしいと思います。
自由だけれど現実的、ほんとうに難しいことですが、このコンペを通して希望ある未来を描けるような、自由な発想の作品に出会えることを期待しています。

廣松邦明 (日精エー・エス・ビー機械株式会社 取締役)

受賞者の皆さんおめでとうございます。第1回目となる本コンペに参加いただいたことに大変感謝しております。
総数として400作品近く、海外からも100作品をゆうに超える数の作品応募があった事に驚いています。

審査員として審査・講評の場においての私の立場は、リアリティ担当というものでした。
それがすでに世の中に存在するものか否か、斬新なアイデアかどうか、さらに製造が可能か否かをコメントする立場でした。
一方で、メーカーの立場でリアリティのみを追求することは本コンペの主旨とも異なることから、審査員の皆さんの議論を側面的にサポートする形で携わっていました。

今後、日々の生活の中で、プラスティックのどういった利用シーンがあるだろうか?どのような容器があるだろうか?などさまざまなアイデアを見つけて欲しいと考えています。
今回のみ参加で終わることなく、2回、3回と続けて、ぜひ周りも巻き込んで、アワードを構成する仲間となって盛り上げに協力していただけると何よりです。

Hiromatsu Kuniaki

アワード総括

2018年が第1回目となる「Plastic Design & Story Award 2018」は、初回のテーマを「いれるもの、つつみこむもの。」と題し、2018年8月1日より作品の応募を開始しました。 プラスティックが持つ新しい可能性や、これからのプラスティックが私たちの生活にもたらす新しい体験価値を世界から募りたいという思いで、今回のアワードのテーマを決定しました。

10月31日の応募締切までの3か月間に、国内外から合計約400点にのぼる作品の応募がありました。特に世界ではアジアをはじめヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカの各国から高い関心を集めました。 11月に行なった審査会では、全審査員が同席のもと、長時間にわたり個別の作品と向き合い、かつ審査員同士で意見を交わしながら、受賞作品の21点を決定しました。

なお入選以上の作品に関しては、主催者である日精エー・エス・ビー機械株式会社と各受賞者との間で連携をしながら、試作品の製作や実用化の可能性を探っていくことになります。 今回のアワードに参加していただいた皆さん、どうもありがとうございました。

Review Board
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Awards ceremony
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